現役看護師が明かす、ドクターX「ロボット手術」5つの謎と現実

ゆめこさん、お疲れ様！ドクターX、面白いよね。良い質問だね。あのシーズン5から出てきた初の女性院長、志村まどかが推進してたやつでしょ？

ははは、よく見てるね！心臓手術とか大動脈解離とか、難しい手術もたくさん出てきたしね。よし、今日はその辺のドラマの話と現実の医療技術について、休憩がてら話してみようか。この記事を読めば、その辺の疑問がスッキリすると思うよ。

いいところに目をつけたね。彼女のスローガンは「クリーンな医療」だったでしょ？つまり、医者の個人的なスキルや経験だけに頼るんじゃなくて、データと技術で誰でも安全で質の高い医療を受けられるようにしたかったんだ。

まさにその通り！派閥争いとか忖度とか、そういう人間的なものを排除して、システム化された医療こそが未来だ！って信じてたんだね。だから大門先生とは方針が合わなかったわけだ。面白いよね。

それがね、実はそうでもないんだよ。もちろん、ドラマみたいに日常的に行われてるわけじゃないけど、遠隔手術自体はもう技術的に存在してるんだ。

理論上はね。でも、大門先生が言ってたみたいに「私の手の方が、完璧で確実なので」っていうセリフも一理あってさ。やっぱり通信のタイムラグとか、予期せぬトラブルのリスクを考えると、まだまだ課題は多いみたいだね。

そうそう。あの患者さんは冠動脈瘤を合併した心筋梗塞で、心タンポナーデも起こしてた。めちゃくちゃ危険な状態だったんだ。だからこそ、志村院長は精密な操作ができるロボットを選んだんだろうね。

だよね。最先端技術が持つ大きな可能性と、それでも残るリスクっていう両面を、あのエピソードは見事に描いてたと思うな。

よく覚えてるね！あれはシーズン4の第2話だね。遠隔じゃなくて、今多くの病院で行われてる「ロボット支援手術」のほう。お医者さんがすぐそばの操縦席からロボットアームを動かすタイプ。

その通り。人間の手だとどうしても少し震えちゃうけど、ロボットはそれを補正してくれるし、狭くて深いところでもグリグリ動ける。現実の医療現場でのロボットのメリットが、すごく分かりやすく描かれてたよね。

そうなんだよ。そこがこのドラマのキモだよね。最新のロボット技術をもってしても越えられない壁っていうのがあって、それを大門先生の「神業」が越えていく。

データやプログラムだけじゃ対応できない時に、患者を救うのは医者の経験と閃き、そして「絶対に助ける」っていう強い気持ちなんだっていう、番組からの熱いメッセージを感じるよね。

いい質問だね。ドラマはあくまでフィクションだけど、現実の医療でもロボット支援手術は目覚ましい進歩を遂げているんだ。じゃあここからは、その現実の医療との比較を少し見ていこうか。

ははは、やっぱり？メモしておくといいよ！俳優のモト冬樹さんが、寿司屋の店主「築地二郎」役でゲスト出演したのは、「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シーズン4の第2話だよ。放送日は2016年10月20日だね。

だよね！僕も気になって、特に印象的だったのをちょっとまとめてみたんだ。見てみてよ、これ。

まあ、そこがドラマの面白いところだからね。例えば、劇中でも出てくる「大動脈解離」なんて、僕たち看護師からしても本当に怖い病気の一つだよね。

もちろんだよ。命に直結するから緊急手術になることが多いし、手術時間もすごく長い。ドラマみたいに一人の天才がパパっと終わらせるなんてことはまずなくて、たくさんのスタッフがチームを組んで、あらゆるリスクを考えながら慎重に進めるんだ。（参照：日本血管外科学会公式サイト）

はは、絶対に言えないよね！なんで言えないかっていうと、医療訴訟のリスクがあるからなんだ。

手術の前には考えられるリスクを全部説明する義務があるんだ。大門先生が自由にやれるのは、彼女が「絶対に失敗しない」っていう、ドラマならではの最強設定があるからなんだよね。

うん、現実世界では多くの外科医にとって、ものすごく頼りになる相棒だよ。「ダヴィンチ」っていう手術支援ロボットが有名だけど、人間の能力を軽く超えるメリットがたくさんあるんだ。

そうそう。多くの病院で導入が進んでるし、これからもどんどん進化していくと思うよ。（参照：沼津市立病院「手術支援ロボット ダヴィンチ」）

どういたしまして！今日の話をまとめると、こんな感じかな。本当にね。まあ、僕たちは大門先生みたいにはいかないからね。

完璧じゃない、僕たちだからこそ、みんなと一緒に考え続けたいんだ。

「失敗はする」
だって、人間だもの。