【コウノドリ】18トリソミーが教えてくれた「生きる意味」。NICUの最前線でナースが直面する、家族の『納得』を支える力

ナースX

「たとえ短い命だとしても、この子の親でいたい」
『コウノドリ』で描かれた18トリソミー。重い染色体異常を抱えて生まれてくる赤ちゃんと、その家族の決断は、私たち医療従事者の心をも激しく揺さぶります。
医療者ができるのは「救うこと」だけではありません。家族がその子と過ごす一分一秒を、どれだけ豊かにできるか。
今回は、18トリソミーのエピソードを通して、ナースが担う「意思決定支援」の本質について回診します。

この記事の結論(カルテ)

  • 対象症例: 18トリソミー(エドワーズ症候群)。
  • リスク: 重篤な合併症により、多くが胎内死亡または生後早期に亡くなる。生存した場合も高度な医療的ケアが必要となる。
  • ドラマの葛藤: 「長く生きること」を目標にする医師と、「家族として過ごす時間」を望む両親との価値観の相違。
  • 看護の真髄: 「説得」ではなく「納得」を支えること。家族が後悔のない選択をできるよう、情報の翻訳者となり、情緒的な盾となること。
目次

問診室:医学の『正義』が家族を追い詰める時

ひかる

お疲れ様、ゆめこちゃん。今日はNICUか小児科の勉強会かな?

ゆめこ

ひかる先輩…。『コウノドリ』の18トリソミーの回を見て、考えさせられちゃって。先生たちが「命を救うため」に最善を尽くそうとする一方で、ご両親が「お家に連れて帰りたい」って泣くシーン。どっちが正しいのか、分からなくなりました。

ひかる

18トリソミーは、医学的には「非常に厳しい予後」を突きつけられる症例だね。母体が亡くなるような急性期とはまた違う、家族が一生背負う「選択」の重みがそこにはある。ナースは、その葛藤の最前線に立たなきゃいけないんだ。

回診記録:『意思決定支援』はナースが担うクリエイティブな仕事

症例1:ドラマに見る「親の覚悟」

ひかる

18トリソミーの子供を持つ親御さんの決意は、わがままだと切り捨てられるものじゃない。限られた時間を「どう生きるか」を真剣に考えているんだ。

ゆめこ

サクラ先生も最後は両親の意思を尊重しました。でも、もしものことがあったら……って考えると、モニターを見守るNICUナースの責任の重さを感じます。

ひかる

その責任感は大切だね。
でも、僕たちが怯えていたら、ご両親はもっと不安になる。万が一の時、動揺せずに『私たちがついていますよ』って背中を支えるだけで、家族はどれだけ救われるか。

ゆめこ

たしかに…。私たちがドンと構えていることで、ご両親は恐怖心より『赤ちゃんへの愛しさ』に集中できる環境が作れるんですね。

症例2:ナースが担う『翻訳機』の役割

ひかる

医師はリスクや生存率を数字で話す。でも家族は「愛している」という感情で決断する。ナースはその間に立って『翻訳』することで、家族が納得して明日を迎えられるように支えるんだ。

ゆめこ

サクラ先生も最後は彼女たちの意思を尊重して全力でサポートしていましたよね。でも、在宅での「ダブルケア」を考えると、地域で支えるナースの手も震えるほどの重責を感じます

ひかる

その『重み』をナース一人で背負わなくていいんだよ。
在宅こそ、訪問看護師や医師、ヘルパーがチームで支える総力戦だ。君は、そのチームと家族を繋ぐ『架け橋』になればいい。

ゆめこ

架け橋……。そうですね。私が全部解決しなきゃって思ってましたけど、適切なプロに『繋ぐこと』も立派な看護なんだって、少し肩の荷が降りました。

※ここから先は、医療ドラマの感想ではなく、実際に看護師として働く立場で一度ちゃんと考えてみたい人向けの話になります。

【本日の処方箋】「命の選択」に立ち会うあなたへ

ナースX

NICUや産科などの高リスク症例が続く現場では、ナース自身が精神的に疲弊してしまうことがあります。そんな時のための処方箋です。

対策:『答えのない問い』と向き合うコツ

  • 「自分ならどうするか」を切り離す
    患者家族の選択が自分の価値観と違っても否定しない。「彼らにとっては、これが正解なんだ」と受容することで、無駄な葛藤を減らせます。
  • ケアのプロセスを肯定する
    結果がどうあれ、あなたが家族の不安を聴き、手を握ったという事実は変わりません。そのプロセス自体が最大の看護です。
  • 専門性の高いチームに相談する
    一人で抱え込む必要はありません。倫理カンファレンスなどを開き、チーム全体で「どう家族を支えるか」を共有しましょう。

💡ナースXのワンポイント・メモ

18トリソミー(エドワーズ症候群)は、新生児期からの高度な全身管理と、循環器、外科、新生児科といった多職種チームによる包括的な連携が不可欠です。
予後が極めて厳しい症例だからこそ、単なる疾患管理にとどまらず、家族が「この子とどう過ごしたいか」という価値観を最優先に支える倫理的判断力が、看護師としての重要な専門性になります。

参考:厚生労働省「難病・小児慢性特定疾病対策」

ひかる

18トリソミーの子が無事に家族と家で過ごせた時間は、たとえ短くても一つの『奇跡』だ。でも、その奇跡の裏には、ナースたちの葛藤があったことを僕は忘れたくないな。

「高リスク現場のプレッシャーに心が折れそう…」

ひかる

最前線で培った『判断力』と『共感力』は、看護師として一生モノの武器だよ。もし今の環境が辛いなら、それは君の能力不足じゃなくて、少し休息が必要なだけ。
しっかり稼いで、しっかり休める場所は必ずあるからね。

\ 自分らしい働き方で年収アップを目指す /

※今すぐ転職する必要はありません。
「今の職場が普通かどうか」を知るだけでもOK。

ナースX

18トリソミーの物語は、私たちに「生きることの尊さ」を教えてくれました。
患者さんの人生を支えるあなた自身の人生も、同じくらい大切にしてくださいね。

ゆめこ

みなさんは「患者さんの選択」に納得がいかず、モヤモヤした経験はありますか?
「本当はこうしてほしいのに……」という医療者としてのジレンマ、こっそり教えてください。
下の「ナースXへの直通ポスト」から待ってます!

※明日から行かなくていい。とにかく心と体を休ませることが優先と感じている方。

とにかく仕事を辞めたい/

「職場の人間関係がツライ…」「ドラマのあのシーン、どう思った?」など、誰にも言えない本音をナースXとひかる先輩に送ってみませんか?
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この記事は、TBSドラマ『コウノドリ』公式サイト厚生労働省「難病・小児慢性特定疾病対策」等の情報を参考に作成しています。

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